君の存在が笑顔になる
4人でテーブルいっぱいの料理を食べて、談笑した。


「千太郎が生まれた時にね、桜香がすごいキラキラした目で千太郎を見てたのよ。それが本当にかわいくて」


おばさんとおじさんが16年前のことをシャンパンを飲みながら、上機嫌で語り始めた。

私たちは覚えていない自分たちのことに興味深く耳を傾ける。


「お父さんが速水さんにね、いつか2人が結婚するといいですね!なんて言ったら、速水さんがすごい剣幕で怒ったのよ。あの時はおかしかったわ」


お父さん…記憶がある頃から本当に優しくて、私に甘かった。あまりにも甘くするからお母さんに注意されることもあった。

優しくて、大好きなお父さんだ。

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