君の存在が笑顔になる
ベッドでうつ伏せになって、顔を見合わせた。


「ねえ、何が欲しいの?もう寝る時間になっちゃったよ。早く教えて」


「そんなにも知りたいの?」


優しく笑う千太郎はまだ勿体ぶるつもりなんだろうか。


「当たり前じゃない。知りたいよ。千太郎の欲しい物をあげたいもの」


「クスッ。桜香・・・」


腕を回して、私の肩を抱く。

顔が近付く。


「だから、何よ」


「今言っただろ?」


「えっ?」


今?こんなに近くにいるのに聞き逃した?


「桜香が欲しい」


耳元で欲望を囁かれた。
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