君の存在が笑顔になる
でも、そっとしておいて欲しかったから冷たい態度を取ってしまった。


それが一番の原因だった。


亜美は友だちに応援を頼み、桜香をリンチしようとしていた。


幸い幹也さんが見つけてくれて、大事にはならなかった。


その時、初めて亜美の心の痛みに気付いた。


自分だけが被害者気分だった俺は自分が情けなかった。


ボロボロ涙を流しながら、謝る亜美を見て、亜美を好きだった頃の気持ちを思い出した。


亜美がいるから、頑張って同じ高校に行ったのに…亜美だって、俺を待っていてくれたのに…思いを裏切った。


視聴覚室で2人きりになって、泣く亜美を抱きしめた。


年上でしっかりしていると思っていた亜美は小さくて壊れそうだった。


守りたい。


そんな気持ちが芽生えた。
< 251 / 256 >

この作品をシェア

pagetop