君の存在が笑顔になる
「亜美さん、もう泣かないで。一番悪いのは俺なんだ。俺は何かを見失っていた気がする」


「遼、遼。…遼、りょお…」


何度も俺の名前を呼ぶ。


「何?どうしたの?俺、何でも聞くよ。何でも話して」


泣く亜美を落ち着かせようと背中をさすった。


「好き。遼が好きなの。だから、だから…ごめんね…」


「うん。分かっているよ。分かってる。もう謝らなくていいよ。亜美さんは俺を思ってくれただけだよね」


「遼…」


「ん?」

俺の胸の中にいた亜美の顔を見下ろした。

見上げる濡れた瞳が俺を見る。


「大好き」
< 252 / 256 >

この作品をシェア

pagetop