君の存在が笑顔になる
俺たちは夏休みになってすぐに幹也さんの家に行った。


「何しに来たんだよ」


並ぶ俺たちを見て、眉間に皺を寄せる。


「報告に来た」


「報告?見れば分かるよ。良かったな、おめでとう」


ぶっきらぼうに言う幹也さんはある意味不器用なんだろうなと思った。


でも、幹也さんのおかげで今の俺たちがある。


俺が桜香と付き合っていた時は、亜美を支えてくれていたと言う。


「高津、ありがとう」


「別にお礼言われることなんてしてない。下心があって、やっていたことだから。亜美、もう遼を離すなよ。ずっとしがみついていろよ」


優しく笑った。


「俺がもう離さないよ」


亜美の肩を抱き、引き寄せた。
< 255 / 256 >

この作品をシェア

pagetop