君の存在が笑顔になる
そして、翌朝…私はごねた。


「イヤ!せんくんと一緒にいる!帰りたくない!」


楠本家に泊まるのは一泊で、次の日は温泉に泊まる予定になっていた。


だから、千太郎とはたったの1日しか一緒に過ごすことが出来なかった。


今度いつ会えるかなんて分からない。


「桜香、わがまま言わないで、千太郎にバイバイしなさい。また今度遊べるから」


「いつ遊べるの?」


「それは、分からないけど…」


「じゃあ、やだ!ずっとここにいるもん」


私はお母さんの説得をきかないで、千太郎の腕にしがみついていた。


千太郎も困っているのは分かっていたけど、離したくなかった。

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