君の存在が笑顔になる
だけど、千太郎に会えない。


「いつになったら会えるのかな~。もう顔を忘れてしまいそう」


「そんな簡単に忘れないでよ。俺はちゃんと桜香の顔を覚えているよ」


電話では変わらず話が出来るけど、会ったら前のように話が出来ないのではないかと思っていた。


それは千太郎を男の子として意識するようになっていたから。


そのきっかけは友だちとの会話の中。


「あたしね、ケンタくんが好きなの。桜香ちゃんは好きな人いる?」と聞かれた。


好きな人、好きな男の子。


今まで考えたことがなかったけど、かわいく笑う千太郎の顔が思い浮かんだ。しばらく会ってないから、幼い顔の千太郎だったけど。





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