君の存在が笑顔になる
「千太郎、好きな女の子いる?」


「好きな女の子?んー、いないなー。桜香は好きな男子がいるの?」


「ううん、いないよ」


「好きな子、出来たら教えろよ」


「千太郎も教えてね」


私たちはまだ恋を知らなかった。

でも、友だちの話を聞くと恋は楽しそうで、私も恋というものをしたいと思った。


それから1年後の6年生に千太郎の家が静岡に引っ越しをした。

静岡と長野ならそんなに遠くないから会えるかもしれないと期待をした。


「ママ、千太郎の家に遊びに行こうよ」


千太郎に会いたい一心でお願いした。
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