君の存在が笑顔になる
やっと願いが叶って、夏休みにお母さんと秋斗と一緒に静岡へ行くことが出来た。

お父さんだけは仕事で行けなかった。


「えっ?…千太郎?」


「桜香、久しぶり!」


電車を降りるとホームまで迎えに来てくれた千太郎が立っていた。


笑顔で近付く千太郎にドキッとした。


「千太郎、何であたしより背が高いのよ!」


胸が高鳴ったことが何となく悔しくて、気付かれたくなくて思わず憎まれ口。


4年前に会った時は私より少し小さかった。それなのに今は私より5センチは高い。


「成長期だからね。桜香だって、大きくなってるよ?」


ほんの少しでも目線が上なのが悔しい。
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