君の存在が笑顔になる
「そういえば、どっちから付き合おうと言ったの?」


「由奈からだよ」


「由奈ちゃんって名前なのね。かわいい名前」


「桜香だって、かわいい名前だよ」


かわいい名前ね…名前を褒められてもあまり嬉しくない。


「その由奈ちゃんって、あたしよりもかわいい?」


悲しくて、悔しいからつい聞いてしまった。


「んー、そうだな。桜香とはタイプが違うからなー。んー、由奈も桜香もかわいいよ」


期待していた答えは聞けなかったけど、何となく彼女と同じ位置にいるような気がして嬉しくなった。


「あたし、千太郎と今までのように電話しても大丈夫なの?彼女に悪くない?」


自分と彼女の位置をまだ確かめたかった。


< 42 / 256 >

この作品をシェア

pagetop