君の存在が笑顔になる
入学式までの2週間を私はほとんど千太郎と過ごした。


一緒に買い物に行ったり、映画を見たり、家でゴロゴロしながらDVDを見たりした。


本当に昔からずっといる家族のように千太郎は我が家に馴染んでいた。

10年も離れて過ごしていたのが嘘のよう。

千太郎の隣りは居心地が良かった。


「そういえば、彼女とはどうしたの?」


いつもと変わらず隣りに座ってテレビを見ていた千太郎に聞く。

静岡から引っ越してきたから、遠距離恋愛になっているはず。


「ああ、明後日こっちに遊びに来るって、言ってるよ。ここにも連れて来るかもしれないな。いい?」
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