君の存在が笑顔になる
リビングのソファーに千太郎と並んで由奈さんが座る。


いつも千太郎の隣りに座るのは私だったのに。私はダイニングテーブルの椅子に座って2人を見る。


「はい、どうぞ。静岡から来て、疲れたでしょう?」


お母さんがオレンジジュースとマドレーヌを出して、私の横に座る。


「ありがとうございます。いただきます」


由奈さんは元気よく返事をして、マドレーヌを食べる。


「美味しい!このマドレーヌ、手作りですか?」


「おばさんと桜香が作っていたよ」


千太郎が答える。


何で私は好きな人の彼女のためにマドレーヌを作らなくてはいけなかったのだろう。
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