君の存在が笑顔になる
「千太郎、あたし買い物に行きたいとこがあるの。付き合ってくれる?」


「いいよ。じゃあ、今から行こうか」


マドレーヌを食べ終わった2人は立ち上がる。


「ごちそうさまでした」


「いえ、またいつでも来てね」


お母さんはニコニコ顔で挨拶する。

私はもう来ないで…と願う。

2人が並ぶ姿なんて、二度と見たくないと思う。


「桜香ちゃんにずっと会いたかったから、会えて良かった」


部屋を出ようとした由奈さんが私の方に体を向ける。
< 63 / 256 >

この作品をシェア

pagetop