君の存在が笑顔になる
私は一瞬、体を強張らせた。


「それはどうも」


素っ気ない返事をしてしまう。


「フフッ。千太郎の大事な幼なじみちゃんをずっと見てみたかったの」


「大事?」


「そう。だって、私と会っていても桜香ちゃんからメールが来ると絶対にその場で返事するんだもの。2人の仲にちょっと嫉妬したこともあるのよ」


今も嫉妬しているのかな?何だか少し鋭い目つきが怖い。


「あ、ごめんなさい。何か邪魔してしまって」


謝るしかない。


「桜香が謝ることじゃないよ。俺がやったことなんだから」


「でも、せっかくのデート中に邪魔してしまったのだもの」


誰だって、他の女からメールが来たら嫌な気分になる。
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