君の存在が笑顔になる
だからなのか、千太郎をリードしている感じがする。


「ごめんね。嫌な言い方をしてしまって。これからは千太郎が近くにいないと思うと不安なの」


「分かります…」


「由奈、買い物に行くのだろう?行こう」


千太郎に促されて、やっと出て行った。


私は泣きそうだった。


「なかなか気の強い子ね。桜香、大丈夫?」


キッチンで野菜を切って、ピクルスを作っていたお母さんが隣りに来る。


「ママ、聞いていたの?」


「聞こえちゃったのよ。離れたら不安なのは分かるけどね。桜香だって、千太郎と離れて不安だったものねー」


お母さんはテーブルに置かれたコップを片付ける。


私はそっと部屋に行き、こっそり泣いた。
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