君の存在が笑顔になる
「ほら、写真撮るわよ。2人で並んで」

入学式と書かれた看板の前に並んで立つ。

千太郎が手を握る。


ドキッとして、顔を見た。


「桜香ー、こっち向いて。ハイチーズ!」


お母さんの声で慌てて前を向き、笑った。


「よし、俺も撮るよ。ハイチーズ!」


今度はお父さんがスマホを構える。


「楠本に晴れ姿を送ってやろう」


「おじさん、ありがとう」


きっとアメリカで喜んでくれる。


「それにしても2人は仲良いな。手を繋いで写真撮るなんて、かわいいよ」


お父さんが目を細める。


「桜香と写真なんて久しぶりだから、なんか嬉しくなっちゃって。な?」


千太郎がかわいい笑顔を向けるからは顔が熱くなる。


「うん」

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