君の存在が笑顔になる

千太郎は考えるように腕を組む。


「前に桜香が告られた時にも言ったけど、桜香の気持ちはどうなの？好き？」


「好きとか考えたことない。いつも近くにいるなとは思うけど」


学校で一番近くにいる男子は片野くんだった。それなりに楽しい友だちだと思ってる。


「んー。少し前に桜香と片野が話しているのを見たけど、２人とも楽しそうで仲良そうに見えたよ。嫌いじゃないだろ？」


「うん、嫌いではない」


「付き合ってみるのも悪くないと思うよ。いいやヤツそうだし」


思いがけなく…薦められてしまった。

少し心が痛む。


千太郎は私が片野くんと付き合っても何とも思わないと思い知らせれた瞬間だ。