君の存在が笑顔になる
それはどういう意味なの?


「東京に行くと決まった時、桜香と一緒にいられることがとにかく嬉しくて、由奈とはどうなってもいいと思ったんだ」


「何でそんな風に思ったの?」


私は千太郎が話すことにドキドキしていた。


「俺、思っていたよりも由奈のことが好きじゃなかったのかも」


苦笑いする。


私もどう返事していいか分からなくて、つい苦笑い。


「好きだと言われて、だんだん好きになっていたとは思うんだけど、勘違いだったような気がする。恋に恋していたのかもなー」


「恋に恋?」


「うん。一緒にいて、それなりに楽しいし、ドキドキワクワクしていたから、その感覚が恋だと思い込んでしまったような?」


思い込む恋?

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