君の存在が笑顔になる
「桜香は片野のこと、好きになってきた?」


「うん。一緒にいて楽しいし、なんかねー、すごいドキドキする。あ…」


何となく千太郎の言っている意味が分かってきた。


こういう気持ちが恋に恋するなんだ。

でも…。


「ごめん、桜香。俺、変なこと言っちゃったよな?桜香はちゃんと片野のことが好きになっていると思うよ。明日のデート、楽しんできて」


千太郎は部屋を出て行った。


結局デート服は決まらないまま。

明日の気分で決めよう。


千太郎のことは考えないように、遼のことを必死に考えて、眠りにつく。


でも、目を閉じると浮かぶのは千太郎の顔だった。


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