君の存在が笑顔になる
私はお父さんから離れて、急いで靴を履く。


「あ、おはようございます!」


遼の視線の先には…、私の後ろに少し不機嫌な顔で立つお父さんがいる。

私の横でお母さんはニコニコしている。

お父さんの後ろのほうを見ると、秋斗と千太郎がリビングから顔を出しているのが見えた。

こっちも興味津々の顔をしている。


もう!みんなして恥ずかしい。


「遼、行こう!行って来ます!」


私は遼の背中を押す。


「桜香、早く帰って来いよ」


心配そうなお父さんの声に振り向き、頷く。


その時、千太郎と目が合う。


「行ってらっしゃい。楽しんできなよ」


笑顔で見送られてしまう。

複雑な心境だ。




< 91 / 256 >

この作品をシェア

pagetop