君の存在が笑顔になる
「じゃあさ、借りて読んでみなよ。面白いから」


「うん」


初デートはその後、アイスを食べて終わった。


帰りも家まで送ると言ってくれたけど、この後塾に行くと言うので、忙しいだろうからと断った。

まだ外も明るい。



「桜香ー。今帰り?」


家の近くのコンビニからちょうど千太郎が出てきた。


私は今日のデート中に何度千太郎のことを思い出したのだろう…。


千太郎の名を口には出さなかったけど、思い出すたびに心が痛んだ。


ちゃんと今デートしている遼を見よう!と何度か思った。


「千太郎、何買ったの?」


「焼きプリン。何か食べたくなっちゃってね。桜香の分もあるよ」


「ありがとう!」



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