君の存在が笑顔になる
私だけでなくて、家族分まで袋に入っていた。

千太郎は本当に気が利いて、優しい。


「デート、楽しかったか?」


千太郎に聞かれるなんて。
あまり話したくない。


「うん。楽しかったよ。映画観てー、ご飯食べてー、雑貨屋さんと本屋さんに行った」


「おー、定番のデートって感じだな」


「あ、そうだ!」


遼が買った漫画のことを聞いてみる。


「それ、俺の部屋にあるよ。いつでも読んでいいよ」


やっぱり千太郎の本だった。


「うん、ありがとう」


千太郎が笑って、頭を撫でる。


「何で撫でるのよ?」


< 97 / 256 >

この作品をシェア

pagetop