君の存在が笑顔になる
「桜香は、小さくてかわいいなと思って」


「もう、またー。千太郎はあたしがいくつだと思っているのよ」


小さい子どもと勘違いしているのではないだろうか。

いつもいつもかわいがってくれるけど。


「ん?俺と同じ高校生だろ?」


「分かってるならやめて」


撫でるのを止めた千太郎はその手で私の手を握る。


「デートで手、繋いだ?」


「ううん…」


手なんて繋ぐどころか触れることもしてない。こんなに距離近くなかったから。


「桜香の手、気持ちいいのになー」


「えっ?」


千太郎は楽しそうに繋いだ手をブンブン振る。

その状態のままで家に帰った。
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