強く…強く…
『あたしね…クラスがえの日に、舞が教室にいてホントに嬉しかったの。舞といたときがすっごく楽しかったから』

意外な言葉にあたしは黙って美里を見た


『でも…舞はいつも岩井さんとばかりいたから…あたしより岩井さんの方が大事なんだと思ったら、悔しくて…』




クラスがえしてすぐ、萌がいじめの標的になったから、萌を一人にしないようにあたしは毎日一緒にいた…


あのときあたしの頭に、美里は存在していなかったんだ…



ずっとあたしは美里に嫌われてたんだと思った


傷ついてるのは自分だけだと思ってた


でも…最初に裏切ってたのは、あたしだったんだね…


『ごめんね美里…あたし美里の気持ち全然知らなくて…自分のことばっかり…美里に嫌われたんだと思ってた…』


きっと今日のことがなかったら、ずっと勘違いしたまんまだったと思う


『美里…明日からあたしのグループに入りなよ。また前みたいに一緒に遊んだり、歌うたったり、喧嘩したり、笑い合ったり…あたし美里とやりたいことたくさんあるよ。話したいこともたくさんあるんだよぉ…』

いつの間にか美里の顔はぼやけてて、表情ははっきり見えなかったけど

『ありがとう…舞』

そう言った美里は笑って見えたんだ
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