強く…強く…
『6組の……三村美香だよ』


茅ヶ崎くんは少し頬を赤くしながら小さく呟いた


それでもしっかりあたしの耳には聞こえた


『っしゃああぁぁぁ!!』


両手でガッツポーズをして、後ろを振り向き、準備室に続くドアを開ける


そこには、顔を真っ赤にした美香がいた

『えっ……なっ…』

後ろにいた茅ヶ崎くんが驚きの声を上げる


やっべ…楽しすぎる~♪


でも邪魔者はちゃんと退散いたしますよ

『じゃああたしはもう行くから、がんばんなよ!』

茅ヶ崎くんに聞こえないように、美香に囁くと美香は口をパクパクさせた


多分抗議したいんだと思うけど、声が出ないらしい……


大丈夫かしら……?

『あとは美香が自分の気持ち伝えればいいんだよ』


分かった?って聞くと、首を縦に何度も振った






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