強く…強く…
『ねぇあの人ぢゃない?』


『恋文てか今時ダサッ!』


『あの顔で茅ヶ崎くんに告るなんてある意味すごいよね』



廊下を歩いていると、所々から聞こえる嫌な笑い声


横では美香が申し訳ない顔をしている


あたしが茅ヶ崎くんに振られたことは、次の日にはもう誰もが知ってるくらいに噂で広がっていた


しかし、美香と茅ヶ崎くんが付き合っていることは誰にもバレてないみたいで安心した



『舞ちゃんゴメンね…』


『いや平気だよ。それより美香の方が心配だよ。付き合ってるのバレたら…さ』

間違いなくファンの反感を買うでしょ


『うんー…だから学校では今までと一緒にすることにしたよ』

『そっか。まぁその方が良いかもね』


茅ヶ崎くんのファンってあたしが思ってるよりも多いみたいだし……


『でも何かあったらすぐに言うんだよ?』

『うん分かった』


美香はすっごい幸せいっぱいの顔で笑った
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