強く…強く…
萌たちとの立ち話もいつもより短く、あたしは家についた


しっかし最悪なことに明日提出しないといけないプリントを机の中に忘れてきたのが分かり、あたしは重い足取りでまた学校に向かった


もうすっかり暗くなった通学路は学校に近づいてもあまり人の姿はなかった


シーンとした校舎に足を踏み入れる

今日は吹奏楽部は休みでホントに校舎の中は静かだった


あーもう早く帰りたい!!

無意識に足は早くなり、階段を上ろうとしたとき、微かに声が聞こえてきた


それは嗚咽のようだった


まっ…まさか…幽霊……?


そりゃ見るしかないでっしょ!


あたしはウキウキ気分で階段をかけあがった

階段のすぐ前でしゃがみ込んだ女の姿があった

なーんだ幽霊じゃないじゃん


つまんなーいと思ったが、一応声をかけてみた


『あのっ…大丈夫ですか?』

その言葉に振り返った顔を見てあたしは絶句した


梅本………
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