強く…強く…
『舞~帰ろう』
まだボーッとする頭に美里の声が響く
んー…なんか頭が重い
あたし風邪ひいたのかな…?
なぜだか廊下の匂いを懐かしく感じた
門から出て、いつものように通学路を美里と喋りながら帰る
だいたいは恋バナ
美里は今、体育委員長の甲斐くんに夢中
けど甲斐くんと山下さんって付き合ってんだよね~
……あれ?あたしなんでそんなこと知ってんだっけ?
誰に…聞いたんだろ……
記憶を辿ろうとした瞬間、頭の奥がズキズキと痛み出した
『舞?』
立ち止まったあたしに美里が声をかけた
『あっ…』
言葉が続かない……
あたし…ホントにどうしちゃったんだろう
周りの景色が霞んで見える
そんな景色の遠くから2人の男性がこっちに近付いてきていた