強く…強く…

梅本



久しぶりにハンガーにかかった制服に手を伸ばす


今日でこの服ともおさらばか……


校則通りに髪を二つに括って、スカートはひざ下、靴下は真っ白


指定の靴を履き家を出た


何も変わってない通学路を途中で違う小道にはいる


真っ直ぐみた先の朝日は寂しく揺れているようだった






『あった……』


住宅街に建つオレンジ色の屋根、表札には【梅本】と黒字でしっかり書かれていた


ピンポーン


あたしはインターホンを押した
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