強く…強く…
『まだ制服も着てないの!?卒業式に遅刻なんて笑えないと思うけど』
『…卒業式なんて行くわけないじゃん』
そう言って中に戻ろうとする梅本の腕をつかんだ
振り払われると思ったのに、梅本はそうせずただあたしから顔を逸らして俯いた
『このままでいいの?みんなに人殺しって思われたままでも』
『……否定しても誰も信じてくれるわけないじゃないっ!!』
泣きながらそう叫ぶ梅本の言葉が胸に突き刺さる
『あたしは…信じるよ』
『えっ……』
『だって梅本はあたしを助けようとしてくれたじゃん。ちゃんと分かってるよ。あたしだけじゃなくて萌たちもちゃんと分かってくれたからさ』
『あんた…馬鹿じゃないの…あたしはあんたのこといじめてたのよ!?なのに何で……』
『んー…あたし馬鹿だから自分でもよく分かんないんだけど、梅本のこと大嫌いだけど憎みたくはないんだ。それに誤解は説いておかないとあたしも気分悪いしさ』
このままさよならはお互い後味最悪だもんね
そう言うと、ハァーー…と梅本はため息をはいて
『あんたにはかなわないわ…』
と呟いて梅本は家の中に消えていった