強く…強く…

『咲希…』



二人が幼なじみだったことはあまり知られていない

あたしも全く知らなかった


二人ともクラスではめったに話さないし、グループが違うからね


でも、狩野さんにとっては梅本は大切な友達の一人なんだ



『梅本にもちゃんと居るじゃん!信頼できる友達』


そう呟いてあたしは萌たちと席に向かった






先生が入ってきてすぐに廊下に並んだ

在校生の子が花を付けてくれて

『先輩卒業おめでとうございます』

と笑顔で言われた

きっと先生から言えと言われてるんだろうけど、部活に入っていないあたしは先輩と呼ばれるのが初めてでなんか嬉しかった


『ありがとう』

そう答えてあたしたちは体育館に歩き出した
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