強く…強く…
嫌な予感は、見事に的中してしまった

1時間目の休み時間から、男子は杏の周りに集まった

何が起こるのか分からず、あたし達は遠くで見守るだけだった…

男子のグループで、一番体格が大きく、リーダー的存在の園田が言った

『前田さぁ~ん何読んでんの?』

杏の読んでる本を取り上げる

『返してよ!!』

杏が立ち上がり、本を取ろうとすると、杏の一番近くにいた川上が、横から杏を蹴った

―――ガタッガタッ!!

大きな音を立てて、杏が床に倒れた

隣の席にいた地味系の男子は、ただ驚きながらもゆっくり立ち上がり、教室を出て行く

あたし達はそんな状況を見ながらも、何も言えず、体は固まってしまっていた

男子を睨みつける杏に、男子たちは冷めた目で見下していた…

その後も、男子の杏に対するいじめは続いていった

その間あたし達は、他の人のように見て見ぬ振りをするだけだった…。それでも杏は、あたし達に普通に接してくれて、男子とのことは一切触れなかった
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