強く…強く…
クラスマッチが終わって数日が経った

その間梅本からは特に酷い嫌がらせはなく、割と平和な日々を過ごしていた


でも毎日のように杏の靴は床に落とされていた


『あーもうっ誰がこんなことやってんのよ!!』

杏と萌とのいつもの帰り道。あたしたちの帰る方向はかなり人が少なくて、コーイウコトを大声で言ったって、なにも恥ずかしくない


『もうさぁー徹底的に犯人見つけない?』

『そうしよう』

と萌はすぐに賛成した。でも杏はそれを断った

『別に靴落とされるだけだから、大丈夫だよ』

『でも…』

その続きは杏の強い目に消えていった

きっとこの時杏はもう決心していたのかもしれない



杏との帰り際、杏はあたしに問いかけた


『あたしも…舞ちゃんみたいになれるかな?』
< 79 / 177 >

この作品をシェア

pagetop