強く…強く…
杏の言葉に男子が一斉に振り向く


しかし、こちらを見るだけで、誰も何も声を発しない




しばらくの沈黙があたしたちの間に流れた


『何…してるの?』

さっきよりも低い声で、もう一度聞くと、男子は顔を見合わせる

しかしやはり何も答えない


するとざわざわと、周りが騒がしくなってきた


他のクラスがげた箱に向かってきたのだ





あたしのクラスは担任がかなり適当だから、帰りの会が他のクラスよりかなり早い


一瞬あたしたちが近づいて来る人たちに目を向けていると、靴を地面に落とす音が聞こえた




『……あっ!』



気付いたときにはもう遅く、男子たちは角を曲がりもう見えなくなっていた…
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