強く…強く…
驚いた顔であたしを見る美里

『舞は…どうするの…?』

『あたしは上靴で帰るから』

『そんなのダメ!あたし上靴で帰るから平気よ…』

そう言いながらまた下を向く美里

『上靴で帰ったら親心配すんぢゃない?』

美里は一人っこで、かなり大切に育てられている。門限だって、4時だったからね!


『あたしは上靴で帰っても、履き替えるの忘れたって言ったら大丈夫だと思うからさ』

その言葉にフッと美里が笑った




このときずっとあたしの胸にあった黒いものは消えてなくなった



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