purple moon
第二章 ―half moon
桜
臨海学校の後、蓮美は陽に関わるのをやめた。
『でも桜のことは、ちょっと悔しいなぁ~。
陽はやっぱ可愛いしねッ』
冗談ぽく、でも切ない顔で
そう言う蓮美に、私はなんて答えていいか分からなかった。
このとき、陽の本心を知っていれば
少しは蓮美を慰めてあげられたかな?
でも、臨海学校での話題には
陽も、みんなも、触れようとはしなかったから
仕方なかった。