purple moon
始まり
『瑠奈~…うち、陽に告っちゃった☆』
蓮美が笑顔で私に言った。
突然の告白
『………え!?』
私の視線は蓮美からそらされ
一瞬頭の中が真っ白になった。
『みんなには言わなかったけど、
うちずっと陽のこと可愛いなぁって思ってたの。』
蓮美はピースサインをした。
『で…返事は??』
『OKでしたっ♪』
『うそーーーーー!!!まじで!??』
暑い初夏の春の空の下、蓮美の報告を聞いた私は
特に、桜が可哀想とは思えなかった。
みんな桜を応援していて
陽を好きってこといい出せなくて
一人でずっと苦しい思いしてたのかと思うと
切なくて。
でも、今の蓮美の笑顔がまぶしくて。
蓮美の幸せが、何より嬉しくて。
桜への多少の罪悪感を隠しながら…
『おめでとっ☆』