山神様にお願い
ダメダメダメダメ。落ち着け私!!
阪上君の声は無視して採点に集中しようと努力する。ところが後ろから、諦めない男子生徒代表の阪上君が、ひっくーい声でブツブツと責める。
「・・・何思い出して固まったの、センセー」
「固まってませんから」
「固まってるじゃん。今も、肩上がってるよ」
「何でもないです!」
「もしかして、他の男との何か?彼氏と別れたんじゃなかったの?また別の男?」
「うるさーい!」
まったく目ざとい男の子だ!私は採点の終ったプリントを持って席を立ち、ずんずんと境界線までをすすんで行った。
「はい、1問間違ってた!」
「・・・はーい」
阪上君は素直にプリントを受け取る。あら、スムーズ。私はちょっと驚いて眼を見張る。こういう時の彼は、いつもなら悪魔的な性格丸出しで問い詰めてくるのに、今日はどうしたのかしら――――――――――
「センセー」
「はい?」
大人しく机に向かった阪上君の後ろ姿に返事をして、私は顔を上げる。すると彼はプリントにシャープペンシルを動かしながら、さらっと言った。
「押し倒して拘束して服を剥ぎ取って隠しているとこ全部をベロで舐めまくりたいと思ってるんだけど、いい?」
「い――――――――」