山神様にお願い
・・・いいわけ、あるかあああああああ~!!!犯罪でしょ犯罪~っ!!!
脳みそに到達するまでにタイムラグがあった。
くるりと振り返った彼に、私は顔の前で思いっきり両腕でバツを作ってみせる。ガン飛ばしつきで。
「えー、ダメ?」
「ダメに決まってるでしょうがああああ~っ!!全く何てこと言うのよ、あなたは発言に問題がありすぎるのよっ!!」
め、眩暈がするわっ!!私は何とか二本の足で体を支える。・・・ああ、ビックリした。ひっさしぶりにこの子のセクハラ発言を聞いて、一瞬でやたらと疲れてしまった。すごい殺傷能力だ。
阪上君はケロッとした顔で、平然と言う。
「だって、センセーが好きだもん」
「すっ・・・好きだとしても言っていいことと悪いことがあるでしょう!?」
「付き合ってたら、あんなのフツーでしょ。別に悪いことじゃないよ。彼氏とそんな会話したことないの?」
「ないですっ!!」
フツーじゃないでしょ、フツーじゃ!それに付き合ってないんだから、やっぱり悪いことでしょうが!過呼吸になりそうで、思わず胸元を押さえた。
阪上君は椅子の背に腕を置いて身を乗り出す。
「え、本当にないの?彼氏とちゃんとエッチしてたんでしょ?まさかあれだけの期間付き合って、貫通してないとかないでしょ?」
「間違え直しはどうなったのよーっ!!」