山神様にお願い
・嬉しい気持ち
喉が渇いて目が覚めた。
そろそろと目を動かして周りを見回す。
起きて最初に視界に入ったのが全面の緑色だったから、ちょっと混乱したのだ。
・・・あれ?ここって、私の部屋じゃない?って。
無意識に四肢を動かそうとして、全身が酷くだるいことにハッとした。
で、まず、自分が裸であることに気がついて、体中やたらとべたべたするなあと思い、隣に同じく裸の店長が片腕を額にのせて寝転んでいるのに気がついた(ちなみに店長は上半身のみ裸だけど、私は素っ裸だった!)。
・・・・・・・・・・わあああああああ~っ!!!
心の中で絶叫した。口からも出そうになったんだけど、店長がすやすやと寝ているから、自分の手で口元を押さえてセーフだった。
一気に思い出した。
片付けにきて、ツルさんが帰り、店長に挨拶を、と思って森に上がったら――――――――――寝起きの店長に、山神の虎に、襲われたんだった・・・・。
裸体の私の上には店長が着ていたらしいTシャツがかけてあった。恐る恐る体を引き起こして、私は自動的に悶絶死するかと思った。・・・恥かしくて。
だってここは森じゃないか!つまりは職場だ!いつも皆で使用している、事務所みたいなところなのだ!!そこで、私は、そのー・・・つまり、上司である店長とアレをしちゃったわけなので―――――――・・・
しかも、素っ裸で寝ていた。
顔が熱くて汗がダラダラと出た。