山神様にお願い
もう下半身に力が入らずに、どうしようかと思った。
こんな経験なかったのだ。私は知らなければそれで済んだ、深い動物の世界を知ってしまったのかも・・・。
ハムエッグを作ってパンを焼く。もう食パンは1枚しかなかったから、それは男性に譲ることにした。
「店長~、どうぞ」
「おおー!愛妻朝食!」
「・・・妻ではありません」
というか、今私の立場が何なのかは怖くてきけません。それを考えたら頭痛がしてくるかもしれない。そう思って、私は考えることから逃げているのだ。
だって、告白とか、普通の順番全部すっ飛ばして、2回も抱かれちゃった・・・・。この人、私の上司なのに~!
機嫌よさげに朝食を食べていく店長を見ていて、そういえば、と思った。
「あのー・・・店長、寝起き悪い人ですか?」
昨夜のツルさんの態度が解せないのだ。彼女はこうなることが判っていたようだった。ならばそのように、判りやすい日本語で言ってくれたら良かったのに~!!と思えど、流されたといっても彼を受け入れたのは自分だ。そこは、責めることが出来ないではないの!
店長は大きな口でガツガツ食べながら、真顔になってチラリと私を見た。
思わず、あとずさった。
「・・・な、んでしょう・・・」
「誰かから何か聞いた?」
「いえ、そのー・・・。まあツルさんは意味深な態度でしたけど、昨日の店長は・・・何と言うか、子供みたいでした。ええと・・・大人の態度ではなかったというか・・・」