山神様にお願い
うん?店長がニコニコを首を傾げる。
「あらー?しばらく会えないって判ってるのに、ちゅーもなし?それって冷たくなーい?」
・・・うおおおおおおお~っ!!!
私はしばらく唇をかみ締めて羞恥心と戦い、それから勇気をかき集めて店長の唇目掛けて突進した。
だって、諦めないのだ。こういう時の彼は、自分の主張が通るまで徹夜でだって粘る。それはこの短い付き合いの中でももう知っている。だから頑張った。
唇が合わさると、するりと店長の手が私の後頭部に回された。有無を言わさずキスが深くなる。うひょ~!!いつも通り、私は心の中で絶叫する。
慣れない慣れない!こんなの慣れません。だって外だよ、ここ!
音を立てて柔らかく包んだと思ったら、いきなり痛みを感じるほどの力で吸い上げる。私は呼吸も浅い状態で、頭はクラクラ体はふにゃふにゃだった。
ああ、無理だ・・・。こんな、この力の前には私なんて無力でちっぽけなんだろう――――――・・・
唇が真っ赤に腫れあがってしまう、そう思う頃、やっと顔を離してくれた店長が薄目を開けて言った。
「・・・まだだな」
「へ、はい?!」
何、何がっ!?いきなり意味不明の言葉が飛んできて、私は混乱した。
すっと私から一歩離れてニッコリと笑う。その笑顔のままで、店長が言った。