山神様にお願い


 ・・・・な。

「なんっじゃこりゃあああああああ~っ!!!」

 私は龍さんからスマホを奪い取って、その信じられないメール画面をガン見する。え、ええ!?これって私が送信したの?知らない知らない!そんな、だって、誰と結婚するのよおおおお~っ!!

 私の本気の驚きを見て、その後の一人大パニックも見て、龍さんとウマ君は唸った。

「・・・何だ、違うのか」

「シカさんからそんなメールが来たから、驚きましたよ~!何かのビックリ企画ですか?」

「相手のこと書いてないから一瞬あれ?って思ったんだよ。でも本当に驚いてるな~」

「でもシカさんから来ましたよね~。俺、相手はトラさんだって普通に思いましたけど~」

「しししし知りません!!だって私、こんな―――――――――」

 その時、ようやく思い当たった。

 阪上君だ。

 あの時、私のケータイを勝手に操作して、こんなメールを作ったに違いない。しかも連絡先の交換はしたけど一度もメールなんてしたことないウマ君にまで着いてるってことは―――――――――・・・って、こ、と、は~・・・・・。

 ざあっと全身から血が下がったのを感じた。同時に大量の冷や汗が私の背中を滑り落ちる。


 ・・・・・・・・・きっと、アドレス登録している人全員に、送ってる・・・。



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