山神様にお願い
・八雲と対決
昼過ぎにラブホを出た。
また彼のバイクの後ろに捕まって、今度は私の家までを走る。
ホテルの部屋で、抱きしめたままで店長が言った一言は、確実に私の心臓を打ち抜いて、体の熱を一瞬で奪い、そのまま凝固させた。
彼は私を離して微笑んだ。
「メール貰ったよ。その後の訂正メールも、一応ね。最初のメールはシカと文体が違った。言いな、お前、誰にケータイ触られたんだ?」
店長の、お前、という呼び方に冷や汗が垂れる。・・・ああ、不機嫌でいらっしゃるのですねえええええ~・・・・。
私は非常に小さな声で、恐る恐る言った。
「・・・・・・やっぱり届いてましたか?」
「うん」
「あの・・・悪戯だったんです。だから訂正メールを・・・」
「で、誰に触られたの」
「触られてません!!」
「シカじゃなくて、ケータイを」
「・・・・・・・・生徒です」
「帰って話、聞くよ~」
「え、あの!今ここで話します!」
「ここでなくてシカの部屋がいい。お仕置きする場所は気軽に声が出せない場所がいいだろ?」