山神様にお願い


 ひき肉に玉葱のみじん切りをあわせてフライパンで炒め、それに味噌をまぜる。だし汁を足すか?そうだな、ちょっとだけ・・・よし。台所に味噌の匂いが立ち上って、俺はにっこりと笑う。

 これにチーズをのせて焼いたら?・・・美味そうじゃねーか?

 てばやくナスを素揚げする。その上に具材をのせて、チーズをかけた。ちょっと考えてそれをさらにオーブントースターへ。

 焼けるのをじりじりしながら待っていた。

 やがてトースターがチンとなり、俺はわくわくしながら蓋をあける。そこにはじゅうじゅうと音を立てながらこんがりと焼けたナスが────────────

「うお!うめえ!」

「あらー、美味しい。やだ、ビールが欲しいわね」

 考さんとミクさんの反応はそれで、俺は大変満足した。

「正解だった?いい感じかな、これ?新メニュー出せってトラに脅されてるんだけど」

 俺は腰に手をあててそう聞くと、二人はガツガツと食べながら親指を上に立ててみせる。

 よしよしよーし!

 むふふと笑ってビールを取りに行くと、後から興奮した考さんの声が追ってきた。

「すげーな、お前!天才だよ龍!」

 ・・・ありがとね。俺は声に出して笑った。全部、考さんのおかげだよ。


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