山神様にお願い
これも、は!?と言ったのは私で、おおーはウマ君。・・・一々面倒臭い人たちです、本当。
「それも嘘です、私は彼氏がいますから!」
一応ウマ君にそう言うと、苦笑されてしまった。いらない主張だったかも・・・。ちょっと恥かしくなって黙ると、龍さんがにんまりと笑って言った。
「デートもしねえ就活狂いの野郎なんて、彼氏とは呼べないだろー?シカ、将来性のない男は捨てて、俺の胸に飛び込んで来い!」
「・・・なんてことを、龍さん」
私は腰に両手をあてて威嚇する。
「就活をバカにしたらいけません。本当~にしんどいんですから!」
それはもう、自尊心も自我も全てが崩壊するようなショックが毎日のように襲ってくるのだぞ。
私がガルルルと口を尖らせて抗議すると、そうそう、龍さんはもう!と店長がダラ~っと口を挟んだ。
あら、もしかして援護射撃してくれるのかな?私は期待を込めて雇い主を振り返る。
「龍さんに飛び込んだらそのまま妊娠させられちゃうでしょ~。シカちゃん、俺はちゃんと避妊するからね」
「・・・店長、そこじゃないです」
うおー、頭痛がする。