山神様にお願い
これから森に上がって、私はそこでご飯タイム。そして、ちょっと気合を入れ直そう、そう思っていた。
そしたら後ろから夕波店長が上がってきたから、階段の途中で私は振り返る。
「あれ?店長、ご飯ですか?」
「そう」
笑顔でない店長が下から私を見上げて頷く。そして、せっついた。
「俺の顔の前にずっとお尻があると気になるんだけど。さっさと上がってくれないかな~?それとも、なで回していいって事?」
「わああああ~」
ダッシュで残りの階段を駆け上がった。
今日の賄いは、元はイタ飯屋さんのシェフだった龍さんお手製の冷製パスタだった。エビやレタスやオニオンが山盛りで、これって居酒屋メニューのお客さんよりいいもの食べてるのでは?などと思ってしまう。
「凄いご馳走ですよね」
「うん」
・・・うん、って。ううう~・・・何か、きまずいです~・・・。私は困りながらいつもの場所に座る。店長もお盆をテーブルにおいて椅子を引き寄せて座った。
木製のテーブルに向かい合わせになると緊張した。だって店長と二人っきりになったのなんて、面接の時以来だ。
「先に飯。頂きます」