熱とキミ。
キミとの出会い
「38度7分。かぁ」
保健室のベッドの上で、優菜は弱々しく呟いた。
朝から少しだるかった。
それでも、テストが近いのでなるべく授業は欠席したくなかった。
その無理が祟ったのだろう。
保健の先生こと、真由ちゃんも怒り気味だ。
「もう。こんな時に無理して、
肝心のテストに出席できなかったら意味ないでしょ!」
・・・ごもっともである。
反論する言葉もなければ気力もないので
曖昧に
「はーい・・・。」
とだけ言っておいた。
「家の人に迎えに来てもらうよう連絡入れてくるから。
大人しくしてなさいね。」
心配そうにのぞき込んでくる。
ダイジョブだよ真由ちゃん。
今のあたしにギャーギャー騒ぐ気力なんか
残ってないよ。
心の中でそう呟いたつもりだったが
向こうも察したらしい。
他には何も言わずに連絡を取りに、保健室をでていった。
ドアが閉められた瞬間、
突如訪れる静寂。
・・・静か過ぎるのも寂しいなぁ。
ふと、そんなことを思った。その瞬間
ドアが開き、
私は彼と出会った。