熱とキミ。

真由ちゃん?もう戻ってきたのかな

まだ、保健室を出て5分と経っていないはずだ。

いくらなんでも早すぎないか?

そう思い、おずおずと

ベッドと向こうを仕切るカーテンを開けてみると

そこにいたのは

真由ちゃんではなく



男子だった。

あれ、こんな人いたっけ。

いたとしたら絶対忘れなさそうだけどな、こんな美形。

身長は・・・180cmくらい?

黒縁のメガネはよく似合ってるし

綺麗な黒髪はそのへんの女の子よりサラサラしている気がする。

あぁ!隣のクラスの人だ!!

熱でうまく働かない脳で必死に思い出す。

3組の、神崎 翔だっけ?

一人、脳内で思考を巡らせてた、その時

神崎 翔は突如に優菜のいるベッドの方に向かってきた。

え、え・・・?どうしよこっち来てる?

なんでなんで?怖いよーー!!

とりあえず、寝たフリ!


目を閉じる。

どれくらい経っただろう。

まだ数秒しか経ってない気もすれば

数分はたった気もする。

もういなくなったよね?大丈夫だよね??

そっと目を開けると

なんと、自分の真横に居るではないか。

「っ!?」

声にならない声が出る。

「あ、起きた。」

低すぎず高すぎない、透き通った声。

なんて言っている場合じゃない。

なに!?なんでまだいるの!?

とりあえず落ち着いて・・・

「おはようございます。」



・・・は?

なんだ、落ち着いて「おはようございます。」

ってなんだよ!

何一つ落ち着いてないよね。テンパりまくってるよね!!

わー、怖い。どんな顔してるかな。

多分もの凄く怪訝そうな顔してるよね・・・。

そう思いながらも、彼の顔を見てみると。


わらっ・・てる・・・?

なんと、彼は

楽しそうに笑っていた。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop