私が死に、そして…。
名前を書いたきり、
一文字たりとも明記しなかった私は
案の定落ちた。
回りの連中はと言うと、
泣いたり笑ったり。
「あぁ、こいつら
こんなに真剣だったんだ」
そう思いながら、
母親の運転する車に乗り
家についた。
そこからは友達と待ち合わせし、
担任に報告。
友達は第一希望の公立が
受かったので担任はほんとに
喜んでいた。
私は、「だめだった」といい
笑顔を見せた。
別にしょっくでもなんでもないけど
何となく、明るく振る舞ってみせた。
「あんなに頑張ったのにな…
しょっくだろう、でもな、お前は
私立に特待で受かってるから、
そこで自分の力を発揮しろ!
俺は応援してるからな!」
と言い泣きながら握手をし、
背中を押してくれた。
人見知りの私が、友人のいない
場所に一人で飛び込む。
どんなに強がっても
これだけは怖かった。
泣きそうなくらい怖かった。
そんな私を知ってか、
担任は優しく背中を押してくれた。